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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第20章 側にいたい




連れてこられたのは体育館。

そこには怒った面持ちの部員たち。

私が現れるなり、部員たちは口々に文句を言い出す。


「ど、どうして…?何で皆知ってるの…?」


何が起こっているのか全く理解できずに、私は隣に立つ征十郎を見上げた。

すると、征十郎はフッと笑い答える。


「黛さんが教えてくれたんだ」

「黛さんが…?」

「ああ、早くしないと華澄は今日にでも手続きをしてしまうとね」


征十郎の話によると、「卒業までそっとしてくれ」と言ったはずの黛さんが突然練習中の体育館に顔を出したらしい。

元々の影の薄さから気づかない者がほとんどだったが、気づいたレオ姉が駆け寄りどうしたのか尋ねると、そのことを話し始め、この事態だ。


「アタシたちが華澄ちゃんを裏切り者だなんて思ってるわけないでしょ?」

「そーだよ!俺らにはカスミンが必要なんだよ!!」

「こんだけ止めても行くってんなら許さねーぞ!!」


レオ姉たちだけじゃない。

他の部員たちも「行くな」と引き止める。


「(…ああ、私の居場所はここにあったんだわ)」


ここにいてもいいのだろうか。

こんな私でも…必要としてくれるのだろうか。


「華澄」


何も言わずに立ち尽くしていると、征十郎が私を自分の方へ向き直らせる。

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