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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第2章 聞いてないわ





入学式を終え、新入生はそれぞれ各自の教室へと入っていく。

案の定、私と征十郎は隣の席。

そのことに少し喜んだが、彼は何も言うことなく席に着く。


「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます」


担任の先生が教壇で、簡単な祝辞や今後の連絡事項を話す。

それを耳に入れつつも、私の視線は窓の向こう。


バラバラになってしまったかつての仲間たちは元気だろうか。

アメリカへ行った従兄の修ちゃんは今頃眠る準備でもしているのだろうか。

親友の優ちゃんはどうしているだろうか。


頬杖をつきながら、そんなことを考えていた。


「では以上だ。今日はこのまま解散とする」


私が色々と思考を巡らせている間にHRは終了。

周囲の人たちも、各自帰宅の準備に取り掛かり始めていた。


「華澄はこのまま帰るのか?」


周囲に倣い、隣の席の征十郎もまた席を立つ。


「そうしようかしら。特に用もないし」

「そうか。気を付けて帰れ」


征十郎はそれだけ言うと、教室を出て行った。

彼は既に春休みから部活に参加しているらしく、この後も早速部活だ。



「(…一緒に帰ることも、ないのよね…)」


わかっていたことだが、また寂しくなった。

今更何を嘆いても仕方ないのに…。


私は頭に浮かぶ邪念を振り払い、鞄を持って教室を出た。

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