第20章 側にいたい
そんな時、意外な人物から電話がかかった。
『お前は馬鹿かっっ!!!』
電話に出るなり怒鳴りつけてくるのは、現在アメリカにいる私の従兄のお兄様。
修ちゃんもまた、さっちゃんから聞いたのだろう。
「そんなに怒らなくてもいいじゃない…」
『馬鹿野郎!!これが怒らずにいられるか!!』
顔こそ見えないが、相当ご立腹のご様子。
自分に黙って勝手に話を進めたことに怒っているのか、はたまた私が征十郎から離れることに怒っているのか…。
多分両方だ。
『いいか?今すぐ留学なんて考えは捨てろ。お前はそのまま洛山にいるんだ』
「修ちゃん…でも…」
『洛山を裏切ったとか、んなことはどーでもいんだよ。誰もそんなこたぁ思っちゃいねーよ』
「だけど…」
『あ゛あ゛ーっ「でも」も「だけど」もねーよ!!っんとに手のかかる従妹だな!!』
いつまでも言うことを聞こうとしない私に、修ちゃんは声を荒らげる。