第19章 私の役目
落ちた飲み物たちを拾い、私とあっくんはコートへ戻った。
それぞれ言われた飲み物を配っていると、黄瀬が悲鳴を上げる。
「うわっっ噴き出したッス!!」
「「あ」」
珍しくミネラルウォーターではなく炭酸水を頼んでいた黄瀬がキャップを開けると、中身が噴き出す。
おそらく…と言うより間違いなく先程落とした時が原因だ。
原因を知っている私とあっくんは目を合わせて笑った。
「藍川っち!そんなに俺が嫌いなんスか?!」
「それは前々からわかっていたことではないか」
「緑間君、そこはわかってても黙っててあげるのが優しさです」
「黒子の言う通りだ。華澄が黄瀬を嫌っていることは、ここにいる全員が認知していることだ。今更口に出して言うことではない」
「ちょっ…俺泣いていッスか…」
黄瀬のその様子に私たちは笑いあった。