第19章 私の役目
私は腕に抱えていた飲み物を落とし、その腕をあっくんの背中に回した。
「大丈夫よ。征十郎もわかってるわ。それに…あっくんは、もう一人じゃないでしょう?」
「うん…」
あやすようにして、あっくんの背中をポンポンと撫でた。
そして、私は一つ小さな深呼吸をする。
「…あっくん、ごめんなさい。あっくんのことは好きだけど…この好きは、あっくんの想う好きとは違うわ…それでも。こんな私を好きになってくれてありがとう…」
「うん…」
「もう戻りましょう?皆待ってるわ」
「そー…だね…」
そう言って私を離したあっくんの目は少しだけ赤くなっていた。
そのことに私は目を細め、あっくんの頭をそっと撫でた。