第19章 私の役目
それを黄瀬は「まあまあ…」と宥めた。
「ほら、黒子っちの看病も必要じゃないっスか。やっぱりそれは藍川っちが適任ッスよ」
「まーそーだねー。藍ちん、運動音痴だしー」
「あっくんまで…」
本当に皆して失礼しちゃうんだから!
と思ったところで私が運動音痴なのも事実なわけで、結局征十郎が提案した通りに、テツ君が復活するまでさっちゃんが代わりに三対三に入ることになった。
「ん…」
「あ、テツ君。起きたの?」
征十郎、真ちゃん、あっくん対大ちゃん、黄瀬、さっちゃんで始まった三対三。
皆が三対三をしている様子を暫く見ていると、テツ君が目を覚ました。
「気分はどう?」
「川の向こうで祖父が手を振っているのが見えました」
「…戻ってこれて良かったわね」
だんだんと意識をハッキリさせながらテツ君はムクッと起き上った。
「相変わらずさっちゃんの料理の破壊力は凄いものだわ」
「ですが折角作ってくれたものですから、食べないのは失礼ですし…何より気持ちが一番です」
「テツ君も相変わらず優しいわね」
クスッと笑いながら私は言った。