第19章 私の役目
そう、今日はテツ君の誕生日。
つい先日にさっちゃんから連絡があり、テツ君の誕生日が休日だし折角だから皆で集まろう、ということになったのだ。
「…皆さん、ありがとうございます」
突然のクラッカーの音に驚いたテツ君も、嬉しそうな顔をして言った。
「じゃ、祝ったしバスケでもすっか!」
「ちょっ…青峰っちってば、切り替え早すぎっスよ!」
何を言い出すかと思えば、大ちゃんは早速ボールを片手にそんなことを言いだす。
「いーじゃねーか。テツもバスケしてーだろ?」
「そうですね」
「ちょっと待ったぁ!!」
主役のテツ君も同意したことによって、まあ仕方なしに三対三でも始めるか…となった時。
さっちゃんが声を張り上げた。
「実はね、私…今日はテツ君の誕生日だから張り切って…ケーキ作ってきました!!」
「「「!!?」」」
さっちゃんの言葉に私たちは全員固まった。
「(え…?さっちゃん……え?)」
いまだに自分がダークマスターを作り出していることに気づいていないのだろうか、或は料理ができるようになったのだろうか。
いや、大ちゃんの様子を見る限り前者で間違いないだろう。