第19章 私の役目
どうやら私が最後だったらしい。
「WCぶりですね、藍川さん」
「もう、藍川っち遅いッスよ!」
「俺を待たせんじゃねーよ」
「そう言う青峰も先程来たばかりなのだよ」
「そうだよ!私が迎えに行くまで寝てたくせに!」
「藍ちーん、早くー」
私の姿を確認した皆は口々に言う。
こんな光景は久しぶりで、私の口元は緩んでしまう。
「何よ。約束の時間には間に合ってるからいいじゃない」
「いいや、2分遅刻だ」
私がそう言いながら皆の元へ歩み寄っていくと、征十郎が間髪入れずに言った。
もう…相変わらず細かいんだから。
そんなことを思いながら隣に並んだ私に、征十郎は隠れて円錐状のあるものを渡す。
「じゃあ…始めるッスよ!」
黄瀬の声で、私たちは今日の主役を取り囲んだ。
「せーのっ」
「「「ハッピーバースデー!!」」」
パーンっと全員でクラッカーを鳴らす。
取り囲まれた今日の主役…テツ君は珍しくも驚いた表情を浮かべた。