第19章 私の役目
そう。
WCも終わり、三年生は本日を持って洛山高校バスケ部を引退する。
「引退かー…だのにいいのかな、結局あの人出なかったけど…」
コタちゃんは頭の後ろで腕を組みながら呟く。
あの人、と言うのは黛さん。
一年間、スタメンとして共に戦ってきた彼は、引退式に顔を出さなかった。
「…でも…あの人らしいですよね…」
「そうね」
私がそう言うと、レオ姉は微笑んだ。
「なー、黛の話はいいから飯食いに行こうぜ」
「もうっ今しみじみしてたとこなのに…永吉ってば、そればっかじゃない!」
永ちゃんは通常運転のまま言い、レオ姉もいつものように突っ込んだ。
その様子に私はクスッと笑う。
「そうですね。何か食べに行きましょうか?」
「カスミンから言い出すなんて珍しいね」
「偶には、ですよ」
私の提案でこの後は四人でご飯に行くことに。
何を食べようか、と校門へ向かっている途中で、よく見慣れた二つの後姿が目に入った。
「お?あれ、赤司と黛さんじゃん」
何やら話している征十郎と黛さん。
今までの威圧感などはなく、その光景はただの先輩と後輩のよう。
「折角なんだし、二人も誘いましょうか」
レオ姉の提案に私は二つ返事。