第19章 私の役目
年が明けた。
WCを準優勝で終えた洛山高校バスケ部の今日の練習は珍しく休み。
体育館で”特別”なことを終えた私たちは、一緒に下校していた。
「ゲーーーーップ」
いつもながらに長い永ちゃんのゲップ。
「腹減ったー…何か食いにいかね?」
「ちょっと待て、永ちゃん。一コマ前のは?」
「今のは『ため息ゲップ』だ」
「アンタほんとぶん殴るわよ」
仮にも乙女がいる目の前で盛大に『ため息ゲップ』という新技を披露してくれた永ちゃんに、レオ姉は眉間に皺を寄せて睨んだ。
コタちゃんもこの呆れ顔だ。
「しかしいいんかね。負けたのに練習しなくて」
永ちゃんは数歩前を歩くこちらに向かって、ぼやくように問いかける。
「何言ってるんですか、今日だけですよ。明日からは普段通りです」
永ちゃんの問いに、私は呆れたように息を漏らしながら答えた。
「そうよ、今日は特別。三年の引退式だったんだから」
レオ姉が言う。