第18章 おかえりなさい
そして、審判のホイッスルが鳴り、最後のシュートがカウントされる。
「試合終了ー!!ウィンターカップ優勝は…誠凛高校!!!」
わあっと盛り上がる会場と誠凛。
私は…いや、洛山は言葉を発せずに、ただそれを呆然と眺めることしかできなかった。
「(負け…た…征十郎が……)」
あら?
そう言えば、私もバスケで負けたのは初めてじゃないかしら…?
悔しい…わね…自然と涙が零れるわ…。
だけど。
征十郎が、あの頃に戻ってくれた。
ただそれだけで、私は十分。
「お前の…いや、お前たちの勝ちだ。おめでとう」
涙を流しながら、征十郎はテツ君の元へ歩み寄り手を差し出す。
「…そして覚悟しておけ、次こそ勝つのは俺たちだ」
征十郎の言葉…「俺たち」という言葉に、私はまたもや涙を零した。
「…はい、またやりましょう。次も、その次も、何度でも」
そう言って征十郎の手を強く握ったテツ君。
本当にこんな日がくるなんて…。
テツ君、本当にありがとう…。