第18章 おかえりなさい
それを見たテツ君は、涙を流しながら微笑む。
「オラぁテツ!火神!てめーら桐皇に勝ったんだろーが!!洛山ぐれー倒さねーとぶっ殺すぞ!!」
大ちゃんだ。
「言っとくけど海常もッスからねー!!勝てぇ誠凛!!」
今度は黄瀬。
「倒してこい!!赤司を!洛山を!!」
真ちゃんまで。
三人を歯切りに、会場は誠凛への声援でいっぱいになる。
こんなに…。
これじゃまるで洛山がヒールみたいだけど…心がホッと暖かくなる心地を感じた。
「…黒子。応援ってのはしみじみ元気でんなあ」
「はい」
火神が言うと、テツ君は小さく答える。
そして誠凛の顔が変わった。
「フ…そうこなくては面白くない」
「征十郎!!」
誠凛への声援が飛び交う中、私は立ち上がり声をあげた。
突然の私の行動に、監督やコーチ、洛山のベンチ全員が驚いた顔で私を見る。
「……勝って…」
初めてかもしれない。
洛山に入って、こんなにも征十郎に…洛山に勝ってほしいと思ったことは。
私が言うと、征十郎はフッと笑みを見せた。
「まだ勝負はついてねえ!行くぞ洛山!!」