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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第18章 おかえりなさい




そして、再び征十郎はゾーンに入った。

そのことに動揺する誠凛に、征十郎はフッと笑みを見せる。


「そう身構えるな。心配しなくても、お前の考えているようなことにはならないよ。ゾーンと言っても、つまりは少し前の状態に戻っただけだ。俺自身はもう大げさに変わったりしない…ただし、他の四人は別だが」


征十郎は静かに言った。


「…え」

「なっ」

「馬鹿な」

「あり得ない…!」

「ゾーンが…五人全員…!?」


その光景に私も思わず目を見開く。

以前、「もし”あの時”の出来事がなく、征十郎の人格が変わらなかったら…彼は『天帝の眼』ではなく、どんな能力を開花させただろうか」と考えたことがある。

まさかそれが、味方の潜在能力を限界まで引き出す…ゾーンへ入れるパスだなんて思いもしなかった。

征十郎のパスを受けた洛山選手はどんどん動きが良くなっていく。

誠凛もそれにくらいついていくが、ゾーンに入った彼らを相手するのは相当堪えるものだ。

そして、そんな時。

征十郎からパスを受けた黛さんは、ゴール下の永ちゃんにパスを出す。


「なっ…根武谷のアリウープ!?」

「まだだぁ!」

「火神ー!!」


それを止めようと、ブロックに跳んだ火神。

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