第18章 おかえりなさい
そしてT・Oは終了し、試合は再開された。
まずは洛山からの攻撃。
誠凛にとっては、ここを止めれば同点…逆転の可能性も見えてくる。
征十郎はマークの火神を抜くも、待っているのは疑似的『天帝の眼』で征十郎の動きを予知したテツ君。
すると、征十郎はフッと口元を緩めた。
「久しぶりだね、黒子」
「…え」
征十郎は手元を一切見ずに、レオ姉にパスを出す。
「!!」
レオ姉は、一瞬驚いた表情をして3Pシュートを放った。
ボールは一寸の狂いもなく、鮮やかなループを描いてネットをくぐった。
「美しいシュートだ。いいぞ実渕」
征十郎は言う。
彼が誰かにこんな言葉を掛けるなんて、洛山へ来てから初めてのことで、レオ姉はキョトンとした。
だが、それもほんのひと時のことで、レオ姉は笑みを浮かべてDFについた。
その後も、征十郎は完璧なパスを出し続けながらも自身のシュートは言わずもがな。
洛山にどんどん追加点が入っていく。