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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第18章 おかえりなさい




小学校を卒業後、彼は帝光中学校へ進学。

伝統的強豪のバスケットボール部に入部する。

強豪なだけあり、練習はハードなものだったが、苦ではなかった。

掲げる唯一絶対の理念は「勝利」。

だがそれも、スポーツであれば当然だと思っていた。



それ以上に、彼にとって思う存分バスケットボールができ、その仲間と過ごす日々は楽しかった。

さらに、心に想う人ができ…新たな支えも得た。



だが、二年生時…全中二連覇を達成する前後から様子が変わり始める。

監督が病により、急遽交代し、その後チームは勝利至上主義の色を強めていく。

さらに同時期。

仲間が次々と才能を開花させ、主将である彼にも統制できなくなってくる。



勝利は義務になり、重荷となり。

仲間の成長は手に負えなくなることへの恐怖。

置いて行かれることへの焦り。

心に想う彼女さえも誰かに奪われるのではないかという不安となった。


気が付くと、バスケットボールを楽しいとは思わなくなっていた。


それは残っていた支えが消え、彼の精神的な負荷に逃げ場がなくなったことを意味していた。



そして、もう一人の赤司が生まれた。

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