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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第18章 おかえりなさい




「なっ…」

「馬鹿なっ…」


テツ君はついに征十郎を止めたのだ。

そのことに洛山はコートの選手もベンチもどよめく。


「征十郎が…ターンオーバー…?」


私たちが動揺していたところで、誠凛は既に火神を先頭に反撃に入っている。


「止めて、小太郎!!」

「っこの…」


レオ姉が叫び、コタちゃんも慌てて火神のマークにつくが、ゾーンに入った彼に追いつくことなどできずにアッサリ抜かれてしまう。

そこへ、ほんのわずかな間であったが呆然と立ち尽くしていた征十郎が火神を追いかけ、彼がコタちゃんを躱すロールでスピードが緩んだ一瞬に追いついた。


「赤司!!」


征十郎の『天帝の眼』ならば止めることができるかもしれない。

だが、ここで火神はテツ君にパス。

あの征十郎が火神の動きを見通せなかったのだ。


「なっ…」

「なにぃ!?」


テツ君はゴールの方へ向かってボールを高く上げた。


「(火神君のアリウープ…!)」


だが、征十郎はまだ追いつく。


「ぉおおおぉっ」

「決めろ火神ー!!」


止めようとブロックに跳んだ征十郎。

誠凛のベンチからは、火神への声援が飛び交った。


「うおあぁあぁああっ」


ドギャッと大きな音をたてて、ボールはゴールの中へ押し込まれた。

そのゴール下で尻餅をついて倒れたのは…まさかの征十郎だった。

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