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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第18章 おかえりなさい




12点差で再開した試合。

征十郎はいつもより深い位置で守っている。

もう周りの誰にも期待すらしていないことが、その表情からもうかがえた。

そして、伊月さんがハーフラインから数歩入った時、空気が凍り付く。

もう、そこは征十郎の守備範囲だ。

あっという間にボールを奪い、征十郎の速攻。

火神もなんとか追いつき、くらいつくも、征十郎に敵うことはできなかった。


「滑稽なあがきだ。お前はそこで這いつくばっていろ」


征十郎の無敵と言えるワンマンプレイに洛山のベンチからも感嘆の声が上がった。

だが、私の表情は暗いもので、涙すら浮かんでくる。

監督も何か思いつめた様子で、ただ黙ってその光景を見ていた。


「…征ちゃん」

「DFの時、3Pには警戒しておけ。お前たちでもそれぐらいはできるだろう」

「そんなっ…」

「赤司っ…」

「別に期待はしていない。できなければ、それも僕がやるだけのことだ」

「……」


冷たくレオ姉たちに言い放った征十郎。


「(……もう見てられないわ…修ちゃん、助けて…)」


心の中で呟いてはみるものの、助けがくるわけでもないし、目の前の状況をどうすることもできない自分のあまりの非力さが悔しかった。

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