第17章 もうやめて
そして、C対決。
「木吉テメェ、何年Cやってんだ!んな筋肉馬鹿に負けてんじゃねぇ!!」
怪我を危惧してか、なかなかポジションの取れない木吉さんに、日向さんが叫んだ。
すると、木吉さんはスピンをかけて、リバウンドをもぎ取る。
木吉さんから投げられたボールは、一気に火神のシュートまで繋がった。
「きたぁー!誠凛、15点差ー!!」
点差が一気に5点も縮まったことで、頭に血が上り始めたのはレオ姉と永ちゃん。
レオ姉の方は、キレてはいるが冷静さは失っていない。
問題は永ちゃんで、コタちゃんに注意されてもその態度はさほど変わらない。
そして、征十郎も火神にはいまだ手を焼いている状況。
ボールはレオ姉へ。
「うおお、何度目だ!?SG対決!!」
『天』も『地』も見破られているレオ姉。
もはや選択肢は『虚空』か3P以外しか残されていない。
だが、レオ姉は間違いなく『虚空』を撃ってくるはずだ。
そして、勝負。
「五将だろーが、洛山だろーが知んねーよ!どれだけお前が強くても、このシュートだけは絶対止めてやる!!」
叫びながら跳び上がった日向さんは、とうとうレオ姉の『虚空』を弾き飛ばした。
一瞬の猶予も与えられずに、誠凛の反撃。
戻りの速かった洛山だが、テツ君のパスで洛山のDFは切り裂かれる。
それに追いつく永ちゃんだったが、主導権は木吉さん。
ボールは日向さんへ回り、3Pを決められてしまった。