第17章 もうやめて
再開された試合で、テツ君は目立った動きはなかった。
しかし、ボールが黛さんの手に渡った時。
「黛対黒子!?」
テツ君は黛さんのマークについた。
だが、一対一に持ち込んで不利なのはテツ君であって、それを黛さんは抜き去る。
「!黛さん、タンマ…」
「させっかぁ!!」
「なっ…」
コタちゃんの声も遅く、黛さんのシュートは火神に止められてしまった。
その後も…。
「また…黛対黒子!?」
何を考えているのかわからない。
まさか、火神と連携するためにわざとこの形に…?と考えては見るが、あからさますぎる。
黛さんもそれをわかってか、逆サイドに出るが、そのサイドには木吉さん。
木吉さんがヘルプにつくと、誰もが思っていたに違いないだろうが、何故だか彼は出ずに黛さんはシュートを決める。
「まさか…わざと黛さんに撃たせてるの…?」
洛山のレギュラー五人の内、四人は中学から名の知れた天才。
それに比べて黛さんは凡人、と言える。
どうせ撃たせるならば、その凡人に…という作戦なのだろうか?