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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第17章 もうやめて




その後のレオ姉のフリースローは、彼にしては珍しく三本中二本も外してしまった。

だが、目的は果たしたと言ってもいいだろう。

残るは火神。

それも…もう…。


『誠凛、T・Oです』


誠凛の心は完全に折れた。

希望の光は全て消え……もう立ち上がれない。


「征十郎…もういいでしょう?誠凛は完全に折れたわ…」

「……」


ベンチに戻ってきた彼に私は言う。

それを見た征十郎は、鋭い目つきで私を見た。


「華澄…お前は…」

「藍川、ドリンクを頼む」

「あ…はい」


征十郎が何か言う前に、黛さんが助けを出してくれた。

明らかに機嫌が宜しくなくなった彼を、怖くて見ることができずに、視線を下に向けたまま私はドリンクを配った。


「…俺、言ったよな?」

「すみません…」

「……」


黛さんからしてみれば、征十郎の機嫌が悪くなって被害を受けるのは自分たちなんだから、やめてくれ…という思いなんだろうけど。

それでも黛さんはそれ以上は何も言わなかった。

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