第17章 もうやめて
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「行くぞぉ、誠凛ファイ!!」
「「「おお!!」」」
後半戦開始前、誠凛のベンチから聞こえる大きな声。
まだ諦めていない、テツ君はそう簡単にあきらめる人ではない。
そうわかっているのに、その様子が痛々しかった。
「どうかしらね…寧ろ必死に振り払ってるようにしか見えないけど。今にも心を覆いつくそうとしている、絶望の闇を」
レオ姉の言葉に、私はまた下を俯いた。
「始まったぞ、第三クオーター!」
「洛山がこのまま突き放して圧勝か!?誠凛にまだ奇跡は残されているのか!?」
「いよいよ決勝の後半戦だ!!」
後半戦開始直後、日向さんは3Pを決めた。
何とかまだ気力を保っている様子だったが、それももう…じきになくなることを私は知っている。
「DF!!黒4番」
レオ姉の『地』のシュート。
これで日向さんはファール三つ目だ。
「まだだよ…誠凛。僕が手を緩めるとしたら、それは君たちが完全に絶命した時だ」
日向さんは必死になって抗議した。
「触っていない」と。
だが、それが認められるわけなんてなくて…。
「テクニカルファール、黒4番!」
四つ目…日向さんは交代でコートを出て行った。