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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第17章 もうやめて




いつものように控室へ戻った洛山の選手たち。

前半は25点リードで終了し、喜ばなければいけないことも、こんな顔をしていてはいけないこともわかっているのに、私の表情は暗いもの。


「…も、もはや勝負は九割方決まりました。ですが、まだ九割です…。誠凛はまだ完全には死んでいません。特に4番、日向さんと10番、火神…この二人を今波に乗らせては万一の可能性があります…」


その表情とは裏腹に、言葉に詰まりながらも並べてゆく言葉に、自分でも戸惑いを隠せなかった。

監督はその様子を黙って聞いているだけで、何も口出しなどしなかった。


「華澄の言う通りだ。よって火神にはもう一度僕が付く。今度は立ち上がることができなくなるまで。それと日向は…玲央、一つで十分だが、可能なら二つとれ。それで彼はもう蚊帳の外だ」


征十郎がレオ姉に視線を向けながら言った。

可能なら二つ…つまり、ファールをとれということ。


「(この試合は…もうダメかもしれない…)」


結局、何もできなかった。

征十郎をあの頃に戻すことなど、できなかった。

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