第15章 洛山のマネージャー
「赤司、今日もスタートから出んだよな?」
永ちゃんは征十郎に問いかける。
「ああ、勿論だ。誠凛は強い、決して油断できない。だが、絶対は僕だ…そして、勝つのは洛山。洛山のバスケこそ絶対だ」
征十郎の言葉に、洛山の選手一同は士気を高めるように表情を引き締めた。
ただ一人、私だけがその場の空気について行けず、下を俯いてしまった。
「…すみません」
と、その時。
征十郎の足もとに誠凛側のボールが転がってくる。
征十郎はそれを拾い上げ、誠凛…テツ君に投げ返した。
「…ついにこの日が来たね、テツヤ」
コートの真ん中に佇む二人。
その様子に私は息をのんだ。
「正直驚いているよ、お前がここまで来る可能性は低いと思っていた…が、華澄の予想というのはやはり外れないな。あの時の答えは出たかい?」
「はい」
「では見せてもらおうか、黒子のバスケを」
「…いいえ、見せるのは僕のバスケではありません。誠凛のバスケです」
「…なるほど。受けてやろう」
決意した表情で、誠凛の選手たちとこちらを真っ直ぐ見据えるテツ君。
迎え撃つように冷たい表情を征十郎は見せた。