第15章 洛山のマネージャー
「…何の用だ。僕はお前に辞めろ、と言ったはずだ」
こちらには一切目もくれず、征十郎は冷たく言い放った。
「征ちゃん、もう一度考え直して?」
「そうだぜ?藍川だって悪気があったわけじゃねーんだしよ」
「俺らにはカスミンが必要なんだって!赤司だってわかるだろ?」
「……」
三人は必死に征十郎に訴えかけるが、征十郎は答えない。
私は俯き、征十郎の前に歩み出た。
「征十郎…ごめ…いいえ、すみませんでした」
私は深々と彼に頭を下げる。
こんなことくらいで彼が許してくれるなんて思ってもいないが、せめて気持ちだけでも伝えたかった。
「私…本当に黄瀬を放っておけなかったの…洛山のマネージャーとしてとるべき行動ではなかったことはわかっているわ…だけど、これだけはわかってほしいの。…私は…洛山の、皆のマネージャーでいたい…マネージャーを続けたい、です…」
「カスミン…」
あの頃の征十郎に戻ってほしい。
それと同じくらい、私はこのチームを支えたい。
それは本心だった。
「……」
「オイ、赤司!藍川もこう言ってんだ!何とかいったらどうなんだよ!!」
それでも何も言わない征十郎に、永ちゃんは声を荒げた。