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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第14章 できないわ



そんなことは絶対にありえないのに…

今の征十郎を放って彼らの元へ逃げたりしないのに…。


「おいおい、もう第四クオーターだよ、誠凛対海常戦。試合後のミーティング長かったなー」

「しょうがないでしょ。反省点の多い試合だったんだから」

「どっちが勝ちあがってくるかなー?どっちでもワクワクするなー」


ギャラリーに出ると、五将の三人は口々に言う。


「試合経過は?」

「第三クオーター終盤から誠凛ペースでリードを保っています」


征十郎が先遣部員に問いかけると、彼はそう答える。

その言葉通りのようで、私もコートに目を向け、そして目を見開いた。


「…黄瀬!」


黄瀬がベンチに控えていた。

こんな場面で彼が温存なわけがない。

となれば、考えられるのは、足首の怪我の悪化。

私は思わずその場から駆け出そうとするも、その手を捕まれ、動き出すことができなかった。


「どこへ行く」


私の腕を掴んだのは、言うまでもなく征十郎。

冷たく鋭い目が私を捉えた。


「離して!じゃないと、黄瀬が…っ」

「先程も言ったはずだ。お前は僕のマネージャーだ。他を気に掛ける必要がどこにある」

「今の状況だと、黄瀬は必ずコートに戻るわ。このまま試合に出れば黄瀬の選手生命にかかわってくるのよ?…お願いだから…」

「それがどうした。僕にも華澄にも関係のないことだろう」


征十郎が言ったその瞬間。

私の中で何かが切れ、次の瞬間には征十郎に掴まれていない方の手を彼に振り上げていた。

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