第14章 できないわ
だが、今回は違う。
外れる、というリスクを承知したうえで、賭けに出ている。
その後、真ちゃんと高尾君は二本目となる3Pのアリウープも決めた。
「(いい相棒に…いいチームに出会えて、良かったわね。真ちゃん…)」
そして、賭けに出た真ちゃんに、征十郎の顔つきも変わった。
だが、それは征十郎だけではなかった。
真ちゃんとの一対一もこれまで通り、アンクルブレイクで崩し、レイアップを決めようとした征十郎だったが、すぐさま立ち上がった真ちゃんに追いつかれる。
征十郎も瞬時に判断し、永ちゃんにパスを出すも、永ちゃんもシュートをブロックされてしまう。
秀徳ボールになり、またもや決まる真ちゃんの3P。
「まずい…点差はあるといえども、流れが秀徳だ」
「……」
監督も少しばかり険しい顔つきで呟く。
そこで事件は起こった。
「…え?」
ちょっと…征十郎……何やって…
そっちは……!!