第13章 歯痒い…
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「お前は本当にトイレが長いな。もう試合が始まるぞ」
「うるさいわね」
あっくんにメールを送り、ひとしきりトイレで泣いた後、征十郎の元へ戻ればこの言われ様。
デリカシーってものを覚えなさいよ。
「どちらが勝つかな」
「さあ…ただ、祥ちゃんと黄瀬の相性は最悪だし、なんせプレイスタイルが似ているわ。それに…」
黄瀬の足首は完治していない。
治るどころか、夏から相当無理をしてきたのか、悪化しているようにも見える。
そして、祥ちゃんがそれに気づいていないとも思えない。
更には祥ちゃんの『強奪』によって、海常の選手のプレイはほぼ無になると言ってもいい。
案の定、第三クオーターが終了した時点で、51-63…福田総合がリードしている。
「涼太が押されている。が、ここで終わるような奴でもないだろう」
「わかっているわ。だけど、今の黄瀬には厳しいかもしれないわね」
残り5分。
点差はどんどん開いていく。