第3章 似てるの
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その翌日の昼休み。
「華澄ちゃんって、赤司様と中学一緒なんやろ?赤司様の中学時代ってどないやったん?」
…出た、赤司『様』。
自販機で飲み物を買おうと、友だちの成美ちゃんと廊下を歩いていた時に彼女はそんなことを聞いてくる。
「どうって…今と何も変わらないわよ」
「そーなんやー。うちもバスケ部のマネージャーしたかってんけど、女マネは募集してへんって断られてもーたわ」
「そう」
「華澄ちゃんは中学ん時有名なマネージャーやったから特別になんやろ?ええなぁ…。ま、結局うちはバレー続けるつもりやってんけど。…あ、そう言えば中学ん時の友だちに『キセキの世代』が特集されとる月バス借りたで!華澄ちゃんも特集されてんの見てビックリしたわ」
そんないいものでもないわよ、と言いたかったが、そう言ったところで何かが変わるわけでもないので私は言葉を飲み込んだ。
「うちのバスケ部って強いやん?ほら、二年生のあの三人とか…なんやっけ、無冠?」
「ああ、『無冠の五将』ね」
「そうそれ。それに加えて赤司様って最強やん!しかも皆上手いだけやのーて格好ええし!毎日楽しんとちゃう?」
「……」