第13章 歯痒い…
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ミーティングも終わり、私以外の部員は皆、調整用体育館で自主練をする、と言って帰った。
本来ならば私もそれに同伴すべきなのだろうが、気がかりなことが残る私は一人、会場に残ることにした。
「(…確か…今は海常対福田総合の試合中のはず…)」
ここからギャラリーへ戻るのが面倒で、裏モニターから試合の様子を窺うことにした私が、その場に行こうとすると、前方に現れたのは、なんと海常の集団。
「(へ?どうして?今、試合中のはずじゃ…)」
そう思ってモニターに目を向けると、行われているのは誠凛対陽泉。
「(んー…順番が入れ替わったってこと、かしら…)」
画面の中の試合は既に後半戦。
「(あら…随分と珍しい方が顔を出してるのね)」
モニターではよく見えないが、私は小さく映る陽泉のベンチを凝視した。
そこに座っているのは、枝尾鈴佳さん。
私たちの一つ上の世代…『無冠の五将』世代で最も優れたマネージャーと謳われた人物で、肩書は『女王』。
彼女の性格は気まぐれそのもの。
ベンチに入るかどうかは、その日の気分次第だという。
私自身も久しぶりにその姿を見た。
「(ま…聞くところによると、鈴佳さんは『無冠の五将』の居るチームとの試合は外したことないらしいし…)」
以前、洛山に居る『無冠の五将』三名に彼女の話を聞いた。
相当、私とさっちゃんのことが嫌いらしい。