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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第13章 歯痒い…



「僕のマッチアップは…10番の彼か。問題はなさそうだね」

「ええ。でも、黛さんは使わない方がいいわ」

「ん?…ップ。何でだ?」


私の真後ろに座る永ちゃんは、ゲップを(いつもよりは)抑えながら、こちらに身を乗り出す。


「ちょっと永吉!華澄ちゃんになんてことしてるのよ!」

「出ちまうモンはしょうがねーだろ」

「…レオ姉、もう慣れたんでいいです」


とは言っても、嫌なことに変わりはなく、私は鼻をつまんでため息を一つついた。


「…秀徳の10番、高尾和成は『鷹の目』を持っています。彼の視野の広さは征十郎に引けを取らない、と言っても過言ではないでしょう。それ故、黛さんのミスディレクションは秀徳には通用しません」

「じゃあ…俺は外れて、別の奴を入れるのか?」

「その必要はない」


私の説明を聞いた黛さんが妥当な考えで問うも、征十郎はそれを否定した。


「要は、彼にお前の能力を気づかせなければいいことだ。それにお前の力がなくとも勝つことはできる」

「…あっそ」

「征十郎…言い方に気をつけなさいよ」


キツイ言い方に黛さんは、機嫌を損ねる。

当の征十郎は、「何のことだ」と私に首を傾げて見せた。


「(早く…あの頃の彼に戻さなきゃ…)」


そう思ったと同時に蘇るのは、大会初日の出来事。


「(できない…かもしれないわ、ね…って、ダメよ!)」


弱気な考えを打ち払うかのように、私はブンブンと首を横に振った。

そうこうしている内に試合は終了。

勿論、勝者は秀徳高校だ。


「さあ、今から軽くミーティングをしよう」


征十郎の一声で洛山の選手は全員立ち上がった。

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