第13章 歯痒い…
ただ、今日の海常の試合を見て感じたのは…黄瀬の足首の違和感。
おそらく、夏からまだ完治していないのだろう。
「(このまま祥ちゃんが勝ち上がれば…まず間違いなく波乱になるわ)」
そしてもう一つ…あっくんの膝と腰だ。
やる気がないと言っても、あの巨体を動かし続けるのは相当な負担が掛かる。
更に、誰もあっくんの負担に気づいていないのか、しっかりしたケアがされていないように感じた。
「妙なことを考えていないだろうな」
征十郎に言われ、ハッと我に返る。
「…何も」
「ふん、ならばいい」
そうは言うものの、征十郎は私の思惑に薄々気づいている。
「(それでも…もう、あなたの言いなりにはならない)」
翌日の三回戦。
『キセキの世代』の各校は着々と勝ち進み、ベスト8が決まった。