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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第12章 本当にそうかしら



ただ…以前とは異なる彼の姿に、本当にここまでなのか?と首を傾げざるを得ない。


「大輝も本領発揮し始めたようだな」


征十郎は言う。

まさしくその通りだ。

これまでがお遊びであったかのように、大ちゃんの動きは凄みを増してゆく。


「テツ君を封じられたのはイタいわね。火神一人で大ちゃんを止められるなんて考えられないわ」


大ちゃんが本気を出し始めたことに加えて、さっちゃんの予測データ。

桐皇リードのまま、徐々に点差は開いていった。

そして気づけば、テツ君のマークは4番から7番へと、元に戻っていた。

テツ君のミスディレクションは完全に効果が切れてしまった。



――― 『万策は尽きた。誠凛の負けだ』



観客は勿論、『キセキの世代』を含めた全員がそう思った。

ただ一人を除いては。



「本当にそうかしら」

「?」


私が小さく呟けば、征十郎は不思議そうな顔で私を見る。

それと同時に、目下のコートでは、驚くべきことが起こっていた。


「なっ…」

「うわぁあ!決まった!!」

「いや、それより今…今吉が一歩も動けなかったぞ!?」


誠凛の5番、伊月さんが今吉さんを抜き、シュートを決めた。


「(やっぱり、まだ何か隠していたのね)」


夏休み、さっちゃんからテツ君の新技を教えてもらった、と聞いた時から違和感があった。

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