第12章 本当にそうかしら
全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会、通称WC。
ついに決戦の日を迎えた。
私たち洛山は、前日に東京へ移動し、大会に臨んだ。
といっても、初日の今日と明日。
シード校の洛山は試合がなく、開会式のみで、特にマネージャーの私は仕事もないので、「試合観戦をするから来い」という部員の誘いも断り、宿泊先で優雅なひと時を過ごしていた。
普段なら征十郎も、引きずってでも私を連れて行くのだろうが、今日はその必要もないと思ったのか、何も言わなかった。
「んー…そろそろかしら」
時計を見れば、午後五時。
既に第一試合は行われているが、私のお目当ての試合は五時半開始予定。
テツ君の誠凛対大ちゃんの桐皇戦だ。
「さあ、勝負ね。テツ君」
私は額の傷跡を一撫ですると、立ち上がり、会場へと赴いた。