第11章 夏の大三角形なのよ?
あながちその目は間違ってはいないが、その様子がおかしく、私は少し笑みをこぼす。
「でもよ…それは藍川も変わんねーんじゃないか?」
「え?」
視線を征十郎から私に戻しながら、先輩は言う。
「お前だってバスケに関しては負け知らずだろ?」
「征十郎と同じにするなんておこがましいです。それに、私はチームの勝利に興味なんてありません。私はやるべきことをやるだけです」
「俺らからしてみりゃ、同じだけどな」
先輩に言われ、それもあながち間違いではないな…なんて考える。
私だって傍から見れば、あの『キセキの世代』と同じ思考の持ち主だ。
それを否定するつもりはない。
だけど、今なら言える。
彼らは間違っている。
私は、彼らの誤ったその考えを正す手助けをしなければならない。
「それより先輩、休憩が長くはありませんか?」
「へーへー、今行きますよ」
洛山の皆さん、ごめんなさい。
私は、洛山のマネージャーとしてではなく、藍川華澄として行動することを決めました。
勝負の冬がやってくる。