• テキストサイズ

青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第11章 夏の大三角形なのよ?





今日の部活も通常通り。

いつものようにドリンクとタオルを用意して、洗濯、選手の身体チェックやらテーピングやらを行う。


「藍川…」

「何ですか?」


その通常業務をこなしていた時、樋口先輩が暗い表情で話し始めた。


「WCのベンチなんだけどさ…やっぱマネージャー枠で座るのは、藍川だよな」

「……」


樋口先輩の言葉に、私は思わず俯いて何も答えられなかった。

三年生の樋口先輩は、今度のWCで引退。

どう考えてもベンチに座りたいに決まっている。

だが、こればかりは私が「樋口先輩にベンチを譲りたい」と言ったところで、どうにかなるものではない。

全て征十郎の一存だ。


「俺さ、元々は選手だったんだ」

「…そうだったんですか」


練習風景を眺めながら樋口先輩は話し始めた。

そういえば、こうやって樋口先輩が自分のことを話すのは初めてかもしれない。


「でも、二年に上がる前に怪我しちまってよ…完治して戻って来てみれば『無冠の五将』がいるだろ?だから、もう選手は無理だなって、その時思ったんだ」

「それで、マネージャーを…?」

「ああ」


樋口先輩は入部した時からマネージャーなんだと思っていたし、そんなことがあったなんて知らなかった。

/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp