第10章 どんな顔をするのかな
それから優ちゃんには、私の本当の住所を教えた。
優ちゃんは、「やっと虹村先輩に手紙読まれなくて済む!」なんて言って笑ってた。
「飯、冷め切ってんぞ」
「うん」
電話を切り、部屋に戻ると、既にご飯を食べ終わった修ちゃんはテレビを見ていた。
「ちゃんと話せたか?」
「うん」
「いい友だち持ったな、華澄」
「うん」
修ちゃんは、隣に腰掛けた私に微笑みかけてくれた。
「修ちゃん…実はね?IHで氷室さんに会ったの」
「タツヤに?」
私はソファに置いてあるクッションをギュッと抱きしめながら頷いた。
「私…心配してくれてるってわかってたのに、酷いこと言っちゃったの。反省してるわ」
シュン、と項垂れた私の頭を修ちゃんは撫でた。
恐る恐る顔をあげれば、修ちゃんは呆れた顔を見せる。
「その話もタツヤから聞いてる。大丈夫さ、あいつはんなことで怒ったりしねーよ」
「…連絡先貰ってそのままだから…今度謝っておくわ…」
「おう、そーしろそーしろ」
そう言った修ちゃんの顔は、とても優しかった。