第10章 どんな顔をするのかな
私は、今から大切な親友を失うかもしれない。
でもこれは自業自得。
今まで優ちゃんを、私の弱さ故に傷つけてきた罰。
『ねぇ、華澄?華澄が何を思ってるのか知らないけど、私は華澄のこと嫌いにならないし、友だちは辞めないよ?』
「え…?」
優ちゃんの言葉に、私は目を見開いた。
『前に会った時も言ったじゃん。私は絶対に華澄を嫌いにならないし、ずっと待ってるって。華澄は優しいから、きっと沢山の悩みを抱えてるんだってわかってたけど、でも私は華澄を救ってあげられなかった。だから、少しでも華澄の力になりたくて情報も集めてたし…利用されてるなんて一度も思ったことない』
「だけど…!」
『それに、華澄はいつか必ず、本当のことを言ってくれるって信じてたから』
私の目から涙が零れ落ちた。
こんな汚い、醜く心が歪んだ私のことを、優ちゃんは信じてくれてた。
『だって、私たち。親友でしょ?』
こんな私をまだ親友と呼んでくれる。
「優ちゃん…ごめんなさ…っ…私…、私っ」
『泣かないでよぉ。こっちまで泣けてきちゃうじゃん』
「…ごめ…っなさい…」
こんなに優しい彼女が親友でいてくれて良かった。
私の支えでいてくれて良かった。
『これからも親友でいてくれるよね?』
「うん…!」