第10章 どんな顔をするのかな
「何か…思ったより元気そうで安心した」
束の間の観光を終え、私の家帰り、一緒に夕食を取っていると、修ちゃんはそんなことを言いだす。
「今日は久々に修ちゃんに会えたからよ…」
いつもなら、こんなに笑うことはできない。
久しぶり、ということもあるが、今日笑っていられたのは、修ちゃんがいたから。
「そっか…。赤司は、相変わらずか?」
修ちゃんの問いかけに、私はコクリと頷いた。
「本当は、前の征十郎に戻って欲しいってずっと思ってるの。でも…そんなこと思う権利、私にはないから…」
私が寂しそうに微笑んで見せれば、修ちゃんは難しそうな表情を見せた。
「そう思うくらい、いんじゃねーの?」
「え?」
食べる手を止めて、修ちゃんは私を真っ直ぐ見て言った。
「華澄の話を聞くたびに考えてた。華澄はあいつらが変わったのは自分のせいだ、って思ってっけど、誰がそんなこと言った?確かに華澄が怪我したことがキッカケだったかもしれねぇ。でも、華澄だけが原因じゃねーだろ」
「で、でも…やっぱり悪いのは私で…」
「だーかーらー!誰も、んなこと言ってねーだろ」
「痛っ」
俯く私に修ちゃんは、お決まりのデコピンをかます。
「そもそも華澄は赤司を元に戻すために着いてったんじゃねーのか?『もう逃げない』とか言ってた割には、何もしてねーじゃねーか」
「……」
修ちゃんの言う通りだ。