第10章 どんな顔をするのかな
そして、明日。
そのまま関西国際空港から、再びアメリカへ戻る。
「先輩たちは元気にしてたの?」
「相変わらずだった」
「そう。私も久々に会いたいわ…。卒業以来会ってないし…」
普通、OBは時々後輩の練習を覗きに来たりするものだと思う。
だが、後輩があの『キセキの世代』ともなれば話は別なわけで、誰一人として、卒業後に遊びに来てくれる先輩はいなかった。
「久保田や関口もお前に会いたがってたぞ」
「本当?今度連絡してみようかしら」
「喜ぶんじゃね?」
そう言いながら、修ちゃんは私に笑いかけてくれる。
修ちゃんの笑顔を見て、私も思わず笑みを零した。
そして、私と修ちゃんは一旦、修ちゃんの荷物を置くために私の家に向かい、その後、京都観光をした。
「これが清水の舞台か…思ったより高くねーな」
「だったら、飛び降りてみてよ」
「お前を突き落すぞ」
京都には昔、家族旅行で訪れたことはある。
だが、遠い昔のことでそこまで覚えていないし、私にとっては初めてに近い感覚。
わざわざ京都まで進学のために来ている、というのにこれまで全く観光をしてこなかった私は、おそらく修ちゃん以上に燥いでた。