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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第9章 条件があるわ



それからさっちゃんはテツ君の格好良さについて話し始める。


「…もういいかしら。私も暇じゃないのよ」


これは長丁場になると確信した私は、電話を切るように促す。


『あ、ごめんごめん。…それと、もう一つ』

「ん?」

『カスミン、IHの会場にいたでしょ?』


言葉が出なかった。

でも、あっくんにバレた時ほどの動揺はなかった。


「…話はそれだけ?もう切るわよ」

『え?ちょっ…』


バレようがバレまいが、私が洛山のマネージャーだという事実は変わらないし、これ以上深く詮索される前に、と私は強制的に電話を切った。


「桃井か」


私が電話を切ったと同時に征十郎が話しかける。


「テツ君の新技の分析を手伝って欲しかったらしいわ」

「そうか。で、それはできたのかい?」

「当然だわ」


何気ない会話をしているはずなのに、言葉の節々から、「バレていないだろうな」という感情が読み取れる。


「あなたが心配しているようなことはないわよ」

「へぇ…」


私の答えに満足したのか、征十郎はまたボールを持ってコートへ戻る。

その背中を見つめながら、私はひとつ息を吐いた。


「(かくれんぼは延長決定、ってわけね)」

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