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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第9章 条件があるわ



それに…。

あんな状態の征十郎を置いて逃げるなど、できるわけがない。


『まー、細かいことは、IHで勝ってからだねー』


あっくんはいつもの調子で言うが、おそらく本気だ。

…こんなの、私は”モノ”じゃない…。

私は、どうしたらいいの…?


「…あっくん、その条件飲むわ。ただし」


私は目を閉じて、小さく深呼吸をした。


「私が『洛山にいること』は、他の誰にも言わないこと。征十郎にも絶対に話さないでちょうだい」

『オッケー。そんなんでいーのー?』

「いいわよ。征十郎が誰かに負けるなんてありえないことだわ」

『……』


それだけ言って私は電話を切った。

色々なことがありすぎて、私の頭はパンク寸前。

それでも、最後まで平静を装っていられたことに対して、自分をほめてあげたい気分だわ。


「もし征十郎が負けてしまえば…何かが変わるのかしら」


また、以前のような優しい笑みを見せてくれる?

それもこれも…あと一週間後、IHが全てなのかもしれない。

或は…冬のWC。

テツ君ならば…彼を、彼らを変えてくれるの…?

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