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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第9章 条件があるわ



ここまで誰にもバレずに隠し通せたこと自体、奇跡に近いことだ。


『やっぱそーなんだー。まー、わかってたことだけどさー。決定的な証拠?みたいなのがなかったんだよねー』

「そう…」

『でー?ホントは赤ちんのとこにいるんでしょー?』

「…どう、かしら?」


それだけは、まだ答えてはいけない気がする。

まだ確実に分かっていることは、私がアメリカにいない、ということだけ。


「あっくん、このこと…誰かに言った?」


声が震えるのを抑えながら、私は問いかけた。


『んー、言ってないよー?だってバレたら、藍ちん、赤ちんに怒られちゃうでしょー?』

「……」


あくまで、私が征十郎のところにいることを前提に話すあっくん。

間違ってはいないが、私の喉は水分を失い、言葉が思うように出ない。


『俺と藍ちんだけの秘密ねー?でさ、本題はここからなんだけどー』


何も話さない私を余所に、あっくんは続けた。


『来週からIH始まるじゃん。そこでさ、俺がもし赤ちんに勝てたら…俺のことちゃんと見てくんない?』

「…え…?」

『俺さ、ずっと藍ちんのこと好きだったんだ』

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