第9章 条件があるわ
「どうしたの…?何か心当たりでもあるの?」
『華澄…悪りぃ』
「え?」
一体何のことか、何一つ理解できずに私は困惑の表情を浮かべて首を傾げた。
『やっぱ、俺のせいだわ…。紫原にバレたの』
「ど、どういうことなのよ…!」
先程までは、俺じゃない。と言っていたのに今度は、やっぱ俺のせい。ってどっちなのよ。
私の知らないところで、何が起こったのかが皆目見当もつかない。
『俺がこっちに来た時に、日本人でタメの友だちができたっつってたろ?』
「うん…」
『そいつ、氷室辰也って言うんだけどよ…今年の夏から日本に帰ったんだ。学校は…』
次の言葉を聞いた瞬間。
私は頭が真っ白になった。
『陽泉高校。紫原と同じとこだ』
氷室さんは修ちゃんと随分仲良くしていたらしい。
修ちゃんも、まさかこんな事態になるなど思ってもおらず、彼に私の話をしていたという。
そして氷室さんは陽泉へ行き、当然の如くバスケ部へ入り、あっくんと出会った。
「じゃ、じゃあ…その氷室さんがあっくんに話したってこと…?」
『そうなるな…悪い』
修ちゃんは謝った。