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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第8章 我が儘か



それだけレオ姉たちに懐いていたのだと、今気づかされる。


「面白くない」

「何が面白くないの?」

「……」


突然、そんなことを言われ、私は首を傾げながら征十郎を見た。

だが、征十郎は私の方を見向きもせず、問いに答えもしない。


「えーっと…征十郎もレオ姉たちがいなくて寂しいってことなのかしら?」

「そんなわけないだろう」

「だったら何なのよ」


寂しいわけではない。

だが、今日のことを征十郎は「面白くない」などと言う。

何が一体どう面白くないのか、私には皆目見当もつかない。


「玲央たちに懐くのは結構だが、お前は僕のマネージャーであることを忘れるな」

「いつから私は征十郎専属のマネージャーになったのよ……っ!」


私が言い返すと、征十郎は冷たい目で私を見下ろした。

その目を前に、私はその場に立ち止まった。



「いいか、お前は僕のためにここにいるんだ。お前の全ては僕だ。覚えておけ」

「……」


お気に入りの玩具を取り上げられた子供のような。

だけどそんな生ぬるいものではない、全て自分の思い通りに行かなければ気が済まない…。

そんな目だ。


「私は…誰のモノにもならないわ」


私は声が震えるのを抑えながら、言った。


「あくまで逆らう気か」

「逆らうつもりはないわよ。だけど、私にだって意志くらいはあってもいいんじゃないの?」

「そんなものはお前に必要ない。ただ僕に従っていればいい、それが正しいのだから」


征十郎は私の首に軽く手を掛けながら言う。

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