第8章 我が儘か
確かに、この時期に北海道へ行って何があるというのだろうか。
別に冬でも良かったんじゃないか…と思わなくもない。
「スノボか…俺もやりたかったな」
「永ちゃん、できんの?」
「そんなに上手くねーけどな。少しはできるぜ?」
「あら、そうだったの」
コタちゃんとレオ姉は、感心したように永ちゃんを見た。
そう言う私も、へぇ…と心の中で呟きながら永ちゃんを横目で見ていた。
「くれぐれも言っておくが、怪我や病気をして帰ってくるなよ。特に玲央、小太郎、永吉。お前たちはうちのスタメンだ。IH前だということを忘れるな」
「わかってるわ」
「ヘイヘイ」
「でもさ、俺たちにはカスミンがいるし大丈夫っしょ!」
「流石の私も瞬時に治すことはできないので、絶対に気を付けてください」
なんてお気楽なものだ。
コタちゃんに関しては、私のことを何だと思ってるのよ。
私は魔法使いじゃないんだから、怪我や病気を一瞬で治すなんてできるわけがない。
そうして、二年生集団は、明日からの修学旅行の準備をするために、早々と帰っていった。