第8章 我が儘か
期末試験も終了し、IH本選に向けて練習に打ち込む部員たち。
私も選手のサポートに勤しむ、何ら変わりない日々を送っていた。
しかし、明日からは少々話が変わってくる。
「はい、これはレオ姉の分で…こっちがコタちゃんの分です。永ちゃんの分は…はい、これです」
「ありがとう、華澄ちゃん」
二年生部員に、簡単にできるメニューを一人一人に配っていく。
何故ならば、明日から二年生は修学旅行へ行ってしまうからだ。
「修学旅行でまでメニューこなすのって面倒だなー」
私が渡した紙をヒラヒラさせながらコタちゃんは言う。
「やるかやらないかは、個人の判断に任せます。ただし、それで帰って来てから征十郎に怒られても知りませんからね?」
「ちぇ…」
たかが四泊五日、されど四泊五日。
バスケ自体はできなくとも、筋トレくらいはやってもらわなければ、あっという間に筋力は落ちてしまう。
IH前にそんなことになってもらっては困る。
「藍川ァ…俺のだけメニューおかしくねーか?」
永ちゃんは自分のメニューをまじまじと見ながら、私に言った。