第7章 良かった、って
「華澄」
そこへ、三人を走りに行かせた張本人、征十郎がやってくる。
「昨日、玲央たちを家にあげたそうだな」
「ええ。勉強会をすると言って、来たのよ。それがどうかしたの?」
何も変なことはない。
なのに征十郎は眉を顰めながら目を細め、私に言った。
「お前は仮にも女で、あいつらは男なんだぞ。そう易々と部屋にあげるものではない」
「それくらい知ってるわ。何を怒ってるのよ」
「怒ってなどいない」
「……」
いや、無表情ではあるがこの顔は怒っている。
現に今、レオ姉たちはその腹いせに走りに行かされているではないか。
何をそこまで怒っているのよ。