第7章 良かった、って
私やさっちゃんも、仲間のうちに入れてもらえて、皆の役に立てて、笑っていられた。
目の前の彼らが、昔の光景と少し重なり、私は笑みを零した。
「きっと、私が今笑えていられるのは、皆さんのおかげです。洛山に来て良かった、って本当に思います」
「華澄ちゃん…」
バスケが嫌いだった。
もう関わりたくなかった。
逃げ出して、修ちゃんのいるアメリカへ行こうとも考えた。
だが、それも許してもらえず、征十郎の”道具”として洛山に連れてこられて、そのことも誰にもバレないように毎日神経をすり減らして…。
それでも。
笑い方も忘れてた私が、今ほんの少しでも笑っていられるのは、きっと洛山バスケ部の人たちのおかげ。
私は目の前の彼らに向かって笑みを見せた。
「ところで、皆さん」
笑みを見せたまま、私は口を開いた。
「勉強会をするんじゃありませんでしたか?」
「「「あ」」」
私の一声で、漸く勉強会が開始された。