第7章 良かった、って
右側の彼、ってことは…つまり…。
「それは私の従兄です。虹村修造って知りませんか?」
帝光祭で修ちゃんと久保田先輩と一緒に撮った写真。
レオ姉の言う、右側の彼は間違いなく修ちゃんのことだろう。
『キセキの世代』が中心に試合に出るようになるまでは、全国的にも有名だったのだから、レオ姉たちが知っていてもおかしくない。
「虹村修造って…あの有名なPFだった人?!」
「俺、こいつとやったことあるわ!どうりで見たことあると思った!」
「え?華澄ちゃんってば、虹村修造と従兄妹なの?!」
衝撃的な事実に三人は驚いた表情を浮かべて、私の方を見た。
レオ姉の問いかけに、私はコクリと頷く。
「そーなんだー。ビックリ」
「ん?でもよ…こいつの話、高校なってから全く聞かねーぞ?」
「そう言えばそうね。あれだけ上手かったのに、どこに進学したのかも知らないわ」
高校生になった途端、忽然とバスケ界から姿を消した天才プレイヤーに三人は首を傾げる。
「修ちゃんは今、アメリカにいるんです」
「あ、アメリカだぁ?!」
「本場に行っちゃったってこと!?」
私が「アメリカ」という単語を出せば、大抵の人は起こす勘違い。