第7章 良かった、って
そこには、キッチンで何かしら作るレオ姉。
テレビをつけてバラエティーを見てるコタちゃん。
本棚から月バスを取って読む永ちゃん。
「(…ここ、誰の家?)」
というより、寛いでていいと言ったのは私だけど…勉強会なんじゃ?
「……」
私が問いかけても、それは誰の耳にも入っていないようで、答えてはくれなかった。
私はため息をついて、寝室で着替え、再びリビングへと出た。
「着替え終わったのね?もうすぐできるから待っててちょうだい」
「…何ができるんですか?」
「何って…朝ごはんに決まってるじゃない。まだなんでしょ?」
レオ姉はリズムよくトントンと音をたてながら、私に微笑みかけた。
いや、危ないから手元見て。
「カスミン、見て見て。このコンビ面白いよー」
「勉強はしないんですか。永ちゃんも勝手に本棚を開けないでください」
「いいじゃねーか。今月の月バス買ってねーんだよ」
「そんなの知りませんよ」
私がいくら言っても聞かないので、またもや私は諦め、ソファーの上でテレビを見るコタちゃんの横に腰掛けた。